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05年10月2日:さよなら103系3000番台 [鉄道]

今日、川越線・八高線の103系3000番台電車が最後の日を迎えました。すでに運用から離れていた最後の編成による「さよなら運転」が行われるということで朝4時半に起床して川越まで行ってきました。
(後で聞いたら、最近まで205系のピンチヒッターで走ってたらしいです。知ってれば見てきたのに)
103系3000番台は色がかつての山手線と同じウグイス色なので元山手線と思われているようですが、ルーツは戦後の復興期を支えた古い73系という電車です。仙台近郊を走っていたころに、車体だけを山手線の103系と同じものを載せたのですが、当時はまだ下回りは旧型の73系のままでした。それを川越線が電化されるのに合わせて比較的新しかった車体を利用して今度は下回りを103系にして本当の103系になりました。ただし、山手線の103系とは同じではなく、3000番台特有の仕様がいくつもみられます。そういう意味で非常に貴重な電車なのです。103系全体がJR東日本で絶滅寸前であり、近頃は鉄道ファンの注目を集めています。

6時ちょっと前に川越駅に到着。ホームには鉄道ファンが早くもうろうろそわそわしております。6時10分、まずは高麗川発の電車が川越駅に到着するところをホームの端で撮影。停車中に一通り写真を撮って6時29分発、折り返し八王子行きのその電車に乗り込みました。さよなら運転といっても普通の定期の運転の一つですから、当然何も知らない普通の人たちも乗っているわけです。川越・八高線というのは単線なので途中駅で何度か交換があって対向電車を数分待たされるのですが、そのたびに鉄ちゃんたちがホームをあっちにこっちに走ります。特に鉄道ファンではない、たまたま乗りあわせた人たちは、「いったい、この人たちは何をしているのだろう」、怪訝な顔をしていました。鉄道ファンの群れは駅をこなしていくたびに増えてきます。一般の人の反応でイチバン面白かったのは、女子高生のグループがホームに群がる鉄道ファンを指差して「きゃー、あれ見て見て!きもーい」「なんかさぁ、みんな同じような服装に見えない?」「ピース(外のカメラにポーズしてみせる)」「番号まで写真撮ってるよ。珍しい電車だから、みんな写真撮ってるのかな?(分かってるじゃないか)」「103の3003だって。あとでネットで調べれば分かるかも(いまどきの考え方だ)」などなど。うーむ、素直で率直な反応です。この子達が生まれる前にこの電車はこの路線を走り始めたなんてことは知るはずもないでしょう。それにしても、多くの場合、鉄道ファンってアキバくんと同系列に見えるようです。「だから電車男なんだ」とかなんとか言ってました‥。それがまた大勢ホームにぎっしり待ってる、いずれも興奮気味でカメラを手にしている、となれば、確かにキモイかもしれない。オイラだってそう思う。でも、あの女子高生たちの中にも将来、鉄道ファンと結婚する子がいるかも‥。

八高線というのは東京近郊を走る路線とはいえ、完全なローカル線です。駅と駅の間も離れています。103系はもともとそういう路線向きに作られた電車ではないのです。乗り心地もけして良くありません。しかし、昭和生まれの自分にとってはこの電車の形がなくなるのは非常にさびしいことです。武蔵野線のオレンジ色の電車ももう少しで消滅するそうです。同じ電車に乗り合わせた鉄道ファンの多くは若くて、そういう郷愁とは無縁な人たちに見えましたが、年季の入った鉄道ファンはこういう電車には興味がないのか、それとも「さよなら運転」でわざわざ見に行くことはないんでしょうか。こちとらはそのあたりが素人なもんで‥。
だいぶ以前に、畑の中を走りぬけていく103系3000番台を最初に見たとき、車体のウグイス色が妙に風景とマッチしている気がしましたが、それは田舎暮らしばかりだったこの電車だからこそといえるのかもしれません。

7時55分に八王子到着。折り返しで川越へ向かう電車を見送って、ワタシのなかで103系3000番台へのお別れとなりました(電車は今日一日走る)。国分寺経由で西武線に乗りかえて自宅にたどり着いたときは9時を過ぎていました。


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